領域代表 林(高木)朗子
理化学研究所 脳神経科学研究センター 多階層精神疾患研究チーム
Research
総括班の役割は、計画・公募研究の進展、精神疾患領域における基礎研究のレベルアップのためのマネジメントです。具体的には、学際的な精神疾患研究が進められるように、班員間の共同研究の促進、支援活動による研究レベルの向上、研究成果発表会やワークショップの企画などを進めます。高次脳機能を階層縦断性に、そして種間横断的に解析するためには、多様な解析技術や貴重サンプルの共有が必要であり、単一研究室が世界レベルで推進することは困難です。そこで、本領域では、基本的な技術と動物モデル・ヒトサンプルがほぼ網羅されるように支援班を設置し、各計画研究・公募研究を領域全体でバックアップするポリシーを十分機能させます。
そのため研究支援班は大きな役割を果たすことが期待され、iPS細胞支援班(加藤・吉川)、ゲノム支援班(加藤・喜田・那波)、行動解析支援班(喜田)、1細胞解析支援班(岩本・澤田)、光操作・イメージング支援班(林(朗)・林(康)・喜田・那波)、ウイルスベクター支援班(林(朗))の6つの小班を編成しました。iPS細胞班は、iPS細胞の作成・分化・配布、ゲノム班は、iPS細胞やマウスをゲノム編集法でノックダウンもしくはノックインを行うことや、次世代シークエンス解析を用いて遺伝子発現解析を行うこと、行動解析班は領域内のマウスに対して網羅的行動解析を行います。1細胞支援班は、領域内のモデル動物脳やヒト死後脳から、Cell sortingやLaser capture microdissectionを用いて細胞種特異的サンプリングを行い、採取サンプルを領域内に配布し、光操作・イメージング支援は領域内のマウスを2光子励起イメージングやファイバーフォトメトリーによる神経活動計測を行います。ウイルス支援班は、領域内のリクエストに応じてレンチウイルスもしくはアデノ随伴ウイルスベクターを作成します。支援をご希望の先生方は、担当の委員にコンタクトを取り、支援のプロセスを進めることが出来ます。
このような「バーチャル研究所」の運営は半年ごとの総括班会議で研究調整され、各計画班員・公募班への還元が最大化されるように努力を払います。