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科学研究費助成事業新学術領域研究(研究領域提案型)2018~2022年度
マルチスケール精神病態の構成的理解

領域代表 林(高木)朗子 
理化学研究所 脳神経科学研究センター 多階層精神疾患研究チーム

計画研究

Research

総括班



 総括班の役割は、計画・公募研究の進展、精神疾患領域における基礎研究のレベルアップのためのマネジメントです。具体的には、学際的な精神疾患研究が進められるように、班員間の共同研究の促進、支援活動による研究レベルの向上、研究成果発表会やワークショップの企画などを進めます。高次脳機能を階層縦断性に、そして種間横断的に解析するためには、多様な解析技術や貴重サンプルの共有が必要であり、単一研究室が世界レベルで推進することは困難です。そこで、本領域では、基本的な技術と動物モデル・ヒトサンプルがほぼ網羅されるように支援班を設置し、各計画研究・公募研究を領域全体でバックアップするポリシーを十分機能させます。

 そのため研究支援班は大きな役割を果たすことが期待され、iPS細胞支援班(加藤・吉川)、ゲノム支援班(加藤・喜田・那波)、行動解析支援班(喜田)、1細胞解析支援班(岩本・澤田)、光操作・イメージング支援班(林(朗)・林(康)・喜田・那波)、ウイルスベクター支援班(林(朗))の6つの小班を編成しました。iPS細胞班は、iPS細胞の作成・分化・配布、ゲノム班は、iPS細胞やマウスをゲノム編集法でノックダウンもしくはノックインを行うことや、次世代シークエンス解析を用いて遺伝子発現解析を行うこと、行動解析班は領域内のマウスに対して網羅的行動解析を行います。1細胞支援班は、領域内のモデル動物脳やヒト死後脳から、Cell sortingやLaser capture microdissectionを用いて細胞種特異的サンプリングを行い、採取サンプルを領域内に配布し、光操作・イメージング支援は領域内のマウスを2光子励起イメージングやファイバーフォトメトリーによる神経活動計測を行います。ウイルス支援班は、領域内のリクエストに応じてレンチウイルスもしくはアデノ随伴ウイルスベクターを作成します。支援をご希望の先生方は、担当の委員にコンタクトを取り、支援のプロセスを進めることが出来ます。

 このような「バーチャル研究所」の運営は半年ごとの総括班会議で研究調整され、各計画班員・公募班への還元が最大化されるように努力を払います。

研究班

A01班「データ駆動型アプローチ」

古屋敷 智之
神戸大学・医学研究科・薬理学分野・教授
ストレスによる認知情動変容を担う多階層プロセスと精神疾患への関与の構成的理解
岩本 和也
熊本大学・大学院生命科学研究部・分子脳科学分野・教授
トランスポゾン操作による統合失調症関連脳神経回路の構成的理解

A02班「アブダクション(仮説導出)型アプローチ」

柚木 克之
理化学研究所・生命医科学研究センター・統合細胞システム研究チーム・チームリーダー
精神病態の分子基盤解明を可能にする次世代トランスオミクス技術の開発
豊泉 太郎
国立研究開発法人理化学研究所・脳神経科学研究センター・チームリーダー
病態シナプス揺らぎに関するIn silico学習モデリング

A03班「仮説検証に力点を置いたアプローチ」

加藤 忠史
理化学研究所脳神経科学研究センター精神疾患動態研究チーム・チームリーダー
双極性障害・統合失調症のトランスオミックス・モデリングによる構成的理解
林 康紀
京都大学大学院医学研究科・システム神経薬理学分野・教授
シナプス操作によるPTSDの構成的理解
林(高木)朗子
理化学研究所・脳神経科学研究センター・多階層精神疾患研究チーム ・チームリーダー
操作・モデリングから迫る精神病態シナプスパソロジーの多階層理解